すでにNISA口座を開設したけど、「どの商品を買ったらいいのかわからない」「専門的知識がないから不安」と感じていませんか？私自身も投資を始めたころは、投資をするにあたって何を勉強したらいいのか分からない日々でした。
しかし、今は新NISA制度ができたことで気軽に投資商品を購入できるようになり、仲介者を介さなくても投資信託や成長株を購入できるようになりました。また新NISAは、利益に税金がかからない制度として、将来の資産形成を強力にサポートしてくれるものになるでしょう。
この記事では、おすすめの投資信託、購入時のポイントや注意点を初心者向けに分かりやすく解説します。投資信託そのものからおすすめの商品を理解することで、資産づくりの第一歩を踏み出しましょう。
投資信託とは？初心者向けにわかりやすく解説
投資信託とは何？
投資信託とは投資家から集めた資金を元手に運用の専門家（ファンドマネージャー）が株式や債券に投資する商品のことで、運用した成果を投資してくれた額に応じて分配される仕組みです。また集めた資金をどこに投資するかはファンドマネージャーが行います。
新NISA口座で投資信託を始めるメリット
- 運用益や配当が非課税
通常は利益に対して20％の税金がかかりますが、NISA口座の税金はゼロです。よって得たすべての利益が手元に残ります。例えば複利で20年運用した場合、税金の影響だけで数十万円から数百万円単位で変わります。
- 長期・分散・積立が簡単
まずは長期についてです。新NISAの非課税期間は無期限なので、税金を取られることなく持ち続けることが可能です。だからこそ、時間を味方につけて複利を最大限に働かせることが可能でになります。
次に分散についてです。新NISAで投資信託を買うと、自然と複数の銘柄や国、業種に投資することが可能です。例えばS&P500の場合はアメリカの代表的な500社に分散されます。そこに日本株を含む先進国株や新興国株などを組み合わせれば、地理的にもリスクを分けることができます。
最後に積立についてです。毎月一定額を積み立てる「ドル・コスト平均法」によって、価格が高いときは少なく、安いときは多く買うことができます。つまり、感情に振り回されず、自動的に“安いときに多く買う仕組み”が出来上がります。
結局、新NISAは「長期で、分散して、淡々と積み立てる」ことを前提に設計されています。よって短期的な利益を狙うより、10年後、20年後にどうなっているかを見据える人ほど恩恵を受ける仕組みです。
投資信託を始めるデメリット
- 投資の基本リスクは消えない
新NISAは“税金がかからない制度ではありますが、必ず利益を得られる制度ではありません。市場が下がれば元本割れのリスクがあることは忘れないようにしましょう。
- 将来的には制度の変更もあり
これまでも10年間でNISA制度に三度変更がありました。制度は政治の影響を受けるため、政権が変われば、優遇幅が縮小されることも拡大されることもあり得ます。財政状況や税収の問題でNISA制度を見直そうという話が出るかもしれません。よって制度を使うこと自体を目的にせず、あくまで利益を伸ばす手段として考えることをお勧めします。
新NISAで投資信託を購入する際のチェックポイント
純資産額
基本的に純資産額の大きい投資信託を選択するようにしましょう。お薦めは1000億円以上の投資信託ですが、金融庁で厳選しているので、あまり気にする必要はないです。
販売手数料
これは投資信託を買うときに一度だけかかる手数料のことです。投資家が不利にならないようにするために、ノーロードと呼ばれる無料のものを選択することが鉄則です。
信託報酬
投資信託を運用するために支払う手数料のことで、会社によっては運用管理費用と呼ばれています。投資信託では運用会社が代わりに銘柄の選定や販売を行うため、その時にかかる人件費やシステムの費用のことを指します。目安は0.5%程度です。
インデックスファンド（年0.1〜0.3％程度）の方がアクティブファンド（年1〜2％）よりも信託報酬は安くなっているため、余ほどのこだわりがない場合はインデックスファンドを選ぶといいでしょう。
おすすめのサイト
現状新NISA口座で投資の相談をすると、必ず自社の商品を勧めてきます。そこで客観的に商品を選択するために、サイト「MINKABU」を利用することを勧めています。
以下参考程度ではありますが、利用用途をお話しします。ただし、サイトの仕様も頻繁に変化するので、ご了承ください。
- リンクへ飛んだ後に「投信」をクリック
- 「投資信託人気ランキング」の右にある「純資産総額」をクリック
- 純資産金額で5000億円以上、実質信託報酬で0.5％以下のものを選択
- ファンド名をクリックすると販売手数料も確認できる！
※今回は「ｅＭＡＸＩＳ Ｓｌｉｍ米国株式（Ｓ＆Ｐ５００）」で行います。
- 注意点として、利益を保証するものではなく、あくまでもおすすめの信託報酬の購入方法を掲示しております。
新NISAで投資信託を買った際のシミュレーション
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス（除く日本）の場合
・毎月積立額：1万円
・積立期間：20年（＝240か月）
・想定リターン（年率）：6％
・信託報酬（年率）：0.09889％
・販売手数料：0円（ノーロード）
※想定リターン6%は長期で投資した場合の平均年率。信託報酬は2025/10/31時点
【計算の前提】
実質の年利は、信託報酬を差し引いて 約5.9％ になります。
毎月1万円を年利5.9％で20年（240か月）積み立てたときの将来価値を計算すると、
およそ 約4,575,700円（460万円） です。
これを積立複利の公式に当てはめると…
将来価値（FV）＝積立額 × {((1＋月利)^積立回数 − 1) ÷ 月利}
= 10,000 × ((1 + 0.0049176/12)²⁴⁰ − 1) ÷ (0.0049176/12) ）
= 10,000 × ((3.249−1) ÷0.0049176
= 10,000 × (2.249 ÷ 0.0049176)
= 10,000 × 457.57
= 4,575,700
元本（積立総額）は 1万円 × 12か月 × 20年 = 240万円 なので、利益は 約220万円 程度になります。
eMAXIS Slim 全世界株式（オール・カントリー）の場合
・毎月積立額：1万円
・積立期間：20年（＝240か月）
・想定リターン（年率）：6％
・信託報酬（年率）：0.05775％
・販売手数料：0円（ノーロード）
※想定リターン6%は長期で投資した場合の平均年率。信託報酬は2025/10/31時点
【計算の前提】
実質の年利は、信託報酬を差し引いて 約5.9％ になります。
毎月1万円を年利5.9％で20年（240か月）積み立てたときの将来価値を計算すると、
およそ 約4,587,700円（460万円）です。
これを積立複利の公式に当てはめると…
将来価値（FV）＝積立額 × {((1＋月利)^積立回数 − 1) ÷ 月利}
= 10,000 × ((1 + 0.004951875/12)²⁴⁰ − 1) ÷ (0.004951875/12) ）
= 10,000 × ((3.2717−1) ÷0.004951875
= 10,000 × (2.2717 ÷ 0.004951875)
= 10,000 × 458.77
= 4,587,700
元本（積立総額）は 1万円 × 12か月 × 20年 = 240万円 なので、利益は 約220万円 程度になります。
【コメント】
全世界株式（オール・カントリー）は、アメリカだけでなく日本・欧州・新興国を含めた「地球全体の成長」に投資する商品で、個別の国や地域を選ぶリスクを自然に分散しているのが特徴です。
eMAXIS Slim 米国株式の場合
・毎月積立額：1万円
・積立期間：20年（＝240か月）
・想定リターン（年率）：6％
・信託報酬（年率）：0.0814％
・販売手数料：0円（ノーロード）
※想定リターン6%は長期で投資した場合の平均年率。信託報酬は2025/10/31時点
【計算の前提】
実質の年利は、信託報酬を差し引いて 約5.9％ になります。
毎月1万円を年利5.9％で20年（240か月）積み立てたときの将来価値を計算すると、
およそ 約4,582,000円（460万円） です。
これを積立複利の公式に当てはめると…
将来価値（FV）＝積立額 × {((1＋月利)^積立回数 − 1) ÷ 月利}
= 10,000 × ((1 + 0.00493217/12)²⁴⁰ − 1) ÷ (0.00493217/12) ）
= 10,000 × ((3.2596−1) ÷0.00493217
= 10,000 × (2.2596 ÷ 0.00493217)
= 10,000 × 458.2
= 4,582,000
元本（積立総額）は 1万円 × 12か月 × 20年 = 240万円 なので、利益は 約220万円 程度になります。
【コメント】
注意点として、米ドル建てとなるため、為替の変動によって評価額が下がることがあることも頭に入れておきましょう。結局のところ、GAFAMといった巨大企業の成長にそのまま乗ることになるため、アメリカ経済の長期的な成長を見込めるかどうかが米国株への投資のカギとなります。
eMAXIS Slim 国内株式（日経平均）の場合
・毎月積立額：1万円
・積立期間：20年（＝240か月）
・想定リターン（年率）：6％
・信託報酬（年率）：0.143％
・販売手数料：0円（ノーロード）
※想定リターン6%は長期で投資した場合の平均年率。信託報酬は2025/10/31時点
【計算の前提】
実質の年利は、信託報酬を差し引いて 約5.9％ になります。
毎月1万円を年利5.9％で20年（240か月）積み立てたときの将来価値を計算すると、
およそ 約4,569,700円（460万円） です。
これを積立複利の公式に当てはめると…
将来価値（FV）＝積立額 × {((1＋月利)^積立回数 − 1) ÷ 月利}
= 10,000 × ((1 + 0.0048808/12)²⁴⁰ − 1) ÷ (0.0048808/12) ）
= 10,000 × ((3.2303−1) ÷0.0048808
= 10,000 × (2.2303 ÷ 0.0048808)
= 10,000 × 456.97
= 4,582,000
元本（積立総額）は 1万円 × 12か月 × 20年 = 240万円 なので、利益は 約220万円 程度になります。
【コメント】
日経平均連動型の投資信託は、日本円で完結するのが利点なので、為替リスクを気にせず投資することができます。日本市場は人口減少と国内需要の鈍化という構造的な課題がある為、世界全体や米国に比べると、過去の平均リターンは少し低い傾向です。
ただし2025年10月に高市早苗さんが首相に就任して以降、政府支出の増加や一部税の廃止と引き下げにより、今後は上昇していく可能性があります。
投資信託のパフォーマンスのまとめ
運用益の比較をしてみると以下の通りです。
・先進国株式（除く日本）：約2,175,700円
・全世界株式：約2,187,700円
・米国株式：約2,182,000円
・国内株式：約2,169,700円
ほとんど差はないですが、米国市場に勢いがあった影響で、米国株式と米国株が6割を占める全世界株式のパフォーマンスが良いという結果でした。一方で相対的に日本株のパフォーマンスは低いですが、割安感があるため、今後は日本株のパフォーマンスも上昇していくと予想されます。
まとめ
新NISAは、初心者でも手軽に始められる資産形成の強力な制度です。投資信託を活用することで、分散・積立・長期運用の3つを同時に実現でき、時間を味方につけて資産を増やすことが可能になります。手数料の低いインデックスファンドを中心に、毎月少額からコツコツ積み立てていくことが成功のカギでしょう。これから投資を始める方は、「新NISAで投資信託を積立運用する」ことから一歩踏み出すことが重要です。将来の安心は一日の小さな決断から生まれるので、今日から始めてみることをおすすめします。
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